kigokoro. 自然の木々を基調とした和柄を寄木でデザインした「ベントウッドリング」をハンドメイドして販売おります。ゆびわの「わ」は、「輪」であり「和」でもあります。人との縁が途切れることのない永遠の図形のよう、円に想いを込めてお届けします。カスタマイズも承りますので、贈り物にはもちろん、人と違うファッションをしたい人にもおすすめです。

絢-aya- 矢絣【真朱】14号

絢-aya- 矢絣【真朱】

14号

 

製作の記録です。

作品に関する詳細はこちらからご覧いただけます。

 

柄の意味・願い

矢絣は結婚や成人、卒業といった人生の節目に贈られた縁起柄として知られます。

赤い部分は「真朱」(まそほ)という「混じり気のない、自然のままの朱」を表す日本の伝統色の名前を当てました。

 

総じて

自然体のままで、自分の道を真っ直ぐに歩いてほしい

という願いをこの指輪には込めています。

 

 

材料の切り出し

左から
・内巻き
・矢絣部材1
・矢絣部材2

 

矢絣の寄木材はそれぞれ広い方が1.5mm、狭い方が0.5mmで切り出します。
2mmが2段で4mm幅となります。

 

漆で着色した材料は研磨出来ないので表に出す面を作業台に押し当て、段差が全て裏に出るように接着します。

 

内巻きは研磨代を残して4.5mmで切り出します。
一緒に写っているのがシンワ製のルーラー付きスケール。
これを活用して「同じ幅」を量産する事が出来ます。

 

内巻きは先端がほつれるくらいにテーパーを付けておきます。
接着して見えなくなる方の面を削り落とす事で漆の色飛びが気にならなくなります。

 

内巻き製作

今回は14号での製作のため、内側の塗膜を加味し15号に合わせた治具を作ります。
アルミ切削の丸棒にマスキングテープを巻き、最後にセロハンテープで治具と内巻きがくっ付いてしまう事故を防止しています。

 

内巻きは約0.2mmの檜材を使用し、5周の巻きつけによって1mm厚を確保しました。
kigokoro.では木工あがり時の総厚を1.5mmに設定しております。
ついでに付箋を巻き付けて外周の円周を測定、各柄部材の長さを計算します。
実寸値に1mmを足しているのは厚みによるためか、こうしないと隙間が出来てしまうためです。

 

 

飾りの寄木

シンワ製のプロトラクターとOLFA製のデザインナイフ(平刃)で部材をカットしていきます。

 

2つひと組にはぎ接着したものを内巻きに貼り付けていきます。

 


いきなり貼ると割れるので、大きさの違う丸棒にゆっくり押し当てて湾曲させてから、隙間なく、はみ出た接着剤を適時迅速に除去しながら作業していきます。

 

木工あがり

 

寄木が完了したら全体のバランスを測りながら約4mmの幅になるまで研磨します。

色飛び、柄欠けを起こしたくないので表面や内側の研磨は行いません。

そのため汚れの付着や平面の維持は木工の時点での最重要課題となります。

 

塗装・仕上げ研磨

指輪の内側にぴったりと沿わせるようにマスキングテープを一周させ、表側にレジンを塗り重ねます。
「垂れたレジンが指輪と同じ高さになる」まで、今回は塗り付けと硬化を6度繰り返しました。

 

マスキングテープを表面に移し、内側にも先ほど塗り硬めたレジンごと覆っていきます。

 


大体2号ほど(15号→13号)内径が小さくなるまで塗布したら一度完全硬化させます。

 

指輪の幅に対して薄皮一枚残すイメージで研磨して形を出していきます。
測っていませんが、恐らく残っている厚みは片側0.3mmほどです。

 

内側を研磨して指定の号数(13号→14号)まで研磨したら、表面の凸凹を慣らします。
ここまでの研磨は全て320番の耐水ペーパーを使い、目が詰まらないように水を付けながら磨きました。

 

指輪の
・表側
・側面
・内側と角
の3回に分け、600番 800番 1200番 2000番 5000番 7000番 10000番と研磨し、最後に田宮製のプラモデル用コンパウンドで磨き上げて完成しました。

 


光沢を出してから研磨が甘いところを見つけたら600番からやり直しですが、今回は無事一発で完了しました。

 

最後に

最後までお読みいただき有難うございます。

kigokoro.のゆびわは1点1点が機械を全く使わない完全手作業による製作ですので、同じデザインでも少しずつ表情が異なります。

一期一会の出会いを大切にしていただけますと大変光栄に思います。

このデザインは

木のゆびわ 絢-aya- 矢絣【真朱】

こちらからご購入いただけます。

他にも日本の伝統的な和柄をモチーフにしたゆびわを多数展開しておりますので、ご覧いただけるととても嬉しいです。

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