kigokoro. 自然の木々を基調とした和柄を寄木でデザインした「ベントウッドリング」をハンドメイドして販売おります。ゆびわの「わ」は、「輪」であり「和」でもあります。人との縁が途切れることのない永遠の図形のよう、円に想いを込めてお届けします。カスタマイズも承りますので、贈り物にはもちろん、人と違うファッションをしたい人にもおすすめです。

【紬-tsumugi- project】華-hana- 両子持縞 絹苺 16号

華-hana- 両子持縞 絹苺

16号

 

こちらの作例は、2022年3月にご注文いただいたお客様への記録です。

作品に関する詳細はこちらからご覧いただけます。

 

紬-tsumugi- project

kigokoro.と関わりのある事業者様とのタイアップ企画。

ロゴや代表作など、その事業から受けるイメージカラーをkigokoro.が解釈し、指輪としてカタチにします。

「華-hana- 両子持縞 絹苺」は長野県朝日村を拠点に地産の食材を使用したクレープを、キッチンカーで移動販売する「ハチコクレープ」様のいちごクリームを、kigokoro.流に再現したオリジナルデザインです。

ハチコクレープ様のInstagramはこちら

 

 

両子持縞

両子持縞(りょうこもちじま)は太い線の両側に細い線を配した日本の伝統的な縞模様で、太い線を親、細い線を子に見立てて転じて

・家庭の幸せ

・子孫繁栄

を願う帯状の和柄です。

木のゆびわ 華-hana- 両子持縞はこれを斜め45度に組み合わせたkigokoro.のオリジナルデザインです。

 

 

材料の切り出し

柄物の指輪は一つひとつの部材が細かくなるため大柄な木理を避け、色味の整った部分を使用します。

反面、内巻きには幅いっぱいに木理を楽しめる様な木取りを心掛けました。

左から

・内巻き(檜)

・外巻き(ホワイトシカモア)

・両子持縞部材(檜、ホワイトアッシュ)

 

 

内巻き製作

16号の治具に対し、内巻き用の檜を巻いていきます。

指輪の総厚を約1.5mmに仕上げるため、内巻きは1.0mmほどに設定します。

今回の檜は厚み約0.2mmでしたので、接着層を加味して4周の巻き付けを行いました。

こちらの作品は4mm幅を規定値としていますが、後の研磨工程で余裕を持って作業するため、4.5mm幅で木取りを行なっています。

この時点で層ごとのズレや緩みのないようにしっかりと巻き上げます。

 

 

飾りの寄木

内巻きの外周に対して0.5mm厚の飾りを寄木で作成します。

両子持縞は、寄木部材を45度のたがい違いに3回貼り付けによって作成します。

曲面に対して斜めに貼り付けるのは隙間が出来やすく、非常に難易度の高い作業です。

 

45度にカットした外巻き用のホワイトシカモアを内巻きに対して貼り付けます。

内巻きを製作する際にズレがないように留意したため、それに合わせてさらにズレがないように貼り付けていきます。

ここが斜めにズレてしまうと柄の角度が変わり、最終的に指輪全体の幅に影響します。

ホワイトシカモアの長さは柄がおおよそ中心に来るように調整していますが、正直言って感覚でしかありません。

巻き終わりが分かりづらいように加工してあるので大体です。

 

先程のホワイトシカモアをガイドにしてひとつめの寄木部材を貼っていきます。

外巻きを貼り付けた際もそうですが、はみ出た接着剤は綺麗に除去して90度の断面と凹凸のない平面を維持します。

特に角の部分は接着が難しく浮いてきてしまうため、しっかりと押さえつけるのに加えて木工完了後に追加の接着を行います。

kigokoro.ではこうした難接着が多いので一般的な木工用ボンドではなく、速乾性の接着剤を使用して確実に留めています。

 

ふたつめの寄木部材を接着します。

この檜は はみ出て固まった接着剤を削ると色が飛んでしまうことがあるので、しっかり留まりつつもはみ出さない適量を見極める必要があります。

はみ出てしまった場合には素早く除去する必要があるので、しっかりと観察しながら貼り付けます。

柄同士の隙間を作らないのは最優先事項です。

 

最後の寄木部材を貼り付けます。

留意点は今までと変わりませんが、柄が斜めにズレないようにひとつめの部材や内巻きの辺を見ながら貼り付け位置を慎重に決定します。

 

反対側にも外巻き用のホワイトシカモアを貼り付けて飾りの完成です。

写真には写っておりませんが、ベントウッドリングと呼ばれる指輪の基本である巻き始め・巻き終わりの処理をきっちりと合わせることで綺麗な断面を作っています。

 

 

木工あがり

内巻きと飾りの幅の差を研磨して馴らします。

偏ったり削りすぎると両子持縞の特徴的に、斜めが非常に目立つので控えめに。

この檜は研磨しすぎると色が飛んでしまうので、木工の精度を極限まで高めることで仕上げ研磨を行わずに塗装工程に入ります。

内側と外側の角の部分は着け外しのストレスを減らすため、800番の紙やすりで丸めてあります。

 

 

塗装・仕上げ研磨

表面と内側をマスキングを駆使して別々に塗装します。

 

表面は厚みのある艶々の塗装を目指すために、先ずUVレジンによるコーティングを行います。

断面にもコーティングを乗せるため、硬化直後はこのような羽根が付きます。

これをカッターで大まかに除去し、皮一枚残すイメージで研磨していきます。

 

全体にラッカーを吹いて仕上げとなります。

アクリルラッカースプレーのクリアーカラーのみ使用しているので、木の色味はそのままに、木理は更に引き立ちます。

経年により硬度が増すこと、日焼けにより薄い飴色に変わるのもこの塗料の特徴です。

硬化後に1200番の紙やすりで水研、2000番で油研(荏胡麻油使用)し、完成です。

 

最後に

最後までお読みいただき有難うございます。

kigokoro.のゆびわは1点1点が機械を全く使わない完全手作業による製作ですので、同じデザインでも少しずつ表情が異なります。

一期一会の出会いを大切にしていただけますと大変光栄に思います。

このデザインは

【紬-tsumugi- project】木のゆびわ 華-hana- 両子持縞 絹苺

こちらからご購入いただけます。

他にも日本の伝統的な和柄をモチーフにしたゆびわを多数展開しておりますので、ご覧いただけるととても嬉しいです。

コメントは受け付けていません。