華-hana- 両子持縞 灰桜/濃鼠 20号
華-hana- 両子持縞 灰桜/濃鼠
20号
2022/01/13〜2022/01/15 製作
こちらの作例は、2021年11月に当ウェブサイトを作成するために実施したクラウドファンディングにてご注文いただいたお客様へのリターン品です。
目次
■□両子持縞□■
両子持縞(りょうこもちじま)は太い線の両側に細い線を配した日本の伝統的な縞模様で、太い線を親、細い線を子に見立てて転じて
・家庭の幸せ
・子孫繁栄
を願う帯状の和柄です。
木のゆびわ 華-hana- 両子持縞はこれを斜め45度に組み合わせたkigokoro.のオリジナルデザインです。
□■材料の切り出し■□
柄物の指輪は一つひとつの部材が細かくなるため大柄な木理を避け、色味の整った部分を使用します。
反面、内巻きには幅いっぱいに木理を楽しめる様な木取りを心掛けました。
左から内巻き、外巻き、両子持縞部材
■□内巻き製作□■
20号の治具に対し、内巻き用のインディアンローズウッドを巻いていきます。
指輪の総厚を約1.5mmに仕上げるため、内巻きは1.0mmほどに設定します。
今回のインディアンローズウッドは厚み約0.5.mmでしたので、接着層を加味して2周の巻き付けを行いました。
この時点で層ごとのズレや緩みのないようにしっかりと巻き上げます。
□■飾りの寄木■□
内巻きの外周に対して0.5mm厚の飾りを寄木で作成します。
45度にカットしたホワイトシカモアをガイドにひとつ目。
隙間が出来ないよう少しずつ慎重に、かつ浮かないようしっかりと貼っていきます。
ひとつ目に直交する形でふたつ目。
みっつ目を貼ったら反対側にもホワイトシカモアを巻いて、寄木は完成です。
■□木工あがり□■
内巻きと飾りの幅の差を研磨して馴らします。
偏ったり削りすぎると両子持縞の特徴的に、斜めが非常に目立つので控えめに。
内側と外側の角の部分は着け外しのストレスを減らすため、600番の紙やすりで丸めてあります。
その後、強度の増加と塗装下地、木の道管を埋めるために独自の方法でコーティングを乗せています。
□■塗装・仕上げ研磨■□
表面と内側をマスキングを駆使して別々に塗装します。
アクリルラッカースプレーのクリアーカラーのみ使用しているので、木の色味はそのままに、木理は更に引き立ちます。
経年により硬度が増すこと、日焼けにより薄い飴色に変わるのもこの塗料の特徴です。
硬化後に1200番の紙やすりで水研、2000番で油研(荏胡麻油使用)し、完成です。